営業活動において、他社との差別化や競争力を
高めるための手段として、「アンダードッグ効果」を
活用することは非常に有効です。
アンダードッグ効果とは
通常、弱者や予想外の存在が逆境を乗り越える姿に対して
人々が共感し、その人物やチームを応援したくなる
心理的な現象です。
この効果は、特に競争が激しい営業の場面でも
顧客や取引先の支持を得るために活かすことができます。
1. アンダードッグ効果とは？
アンダードッグ効果は、競争や対立の場面で
劣位にある側が努力して逆境を乗り越えようとする姿勢に対して
人々が自然と共感し、応援したくなる心理現象です。
人々は、弱者が困難に立ち向かう姿に感動し
ついその側に肩入れして応援する傾向があります。
例えば、スポーツの試合で格下のチームが
強豪チームに勝つ瞬間や、映画で弱者が大きな挑戦を
乗り越える場面などが典型的な例です。
この効果は、営業活動においても十分に活用でき
競争が激しい市場や、上位の大企業との競争においても
逆転を狙う小規模な企業が勝利を収める過程で
顧客の共感を得やすくなるのです。
2. 営業におけるアンダードッグ効果の活用
営業活動においてアンダードッグ効果を活用することで
特に小規模企業や新規のスタートアップが
競争の激しい市場において成功する可能性を
高めることができます。
以下では、具体的な方法を紹介します。
1. 自社の弱点を強調する
アンダードッグ効果を引き出すために
最も基本的かつ効果的な方法は
自社の「弱点」をあえて強調することです。
例えば、他の大手企業と比較して
リソースが限られている、小規模である、歴史が浅い、など
といった点を正直に伝えることです。
これにより、顧客は「この企業が挑戦している」
という気持ちになり、その姿勢に共感を覚えます。
例えば、「私たちは小さな企業ですが、
だからこそお客様一人ひとりに
きめ細かいサービスを提供できます」
といったメッセージを伝えることで
顧客はその弱者的な立場を支持する心理が働きます。
このように、自社がアンダードッグであることを
前面に押し出し、その逆境に対してどれほど
努力しているかを伝えることが大切です。
2. ストーリーテリングを活用する
アンダードッグ効果を強調するためには
ストーリーテリングを活用することも有効です。
顧客は、単なる商品の提案にとどまらず
その企業がどのようにして現在に至ったのか
どんな苦労を乗り越えてきたのか
といった背景に共感することがよくあります。
例えば、営業担当者が自社の立ち上げ時のエピソードを語り
「最初は資金が限られ、どのように市場に進出するかを
悩んでいました。
でも、お客様のニーズを真摯に受け止め
少しずつ信頼を積み重ねてきました」
というような話をすることで
顧客はその努力と情熱に共感し
応援したくなる気持ちが生まれます。
このように、自社がどのような困難を
乗り越えてきたのかを物語として伝えることで
顧客はそのストーリーに感情移入し
商品やサービスに対する親近感を
高めることができます。
3. 顧客との関係構築を強調する
アンダードッグ効果を最大化するためには
顧客との密接な関係構築が重要です。
大手企業と競争する際、規模の違いを
アピールするのではなく
「私たちはお客様と共に成長してきた企業です」という
メッセージを伝えることで
顧客に対して強い信頼感を与えることができます。
例えば、「私たちは小さな企業なので
どのお客様に対しても個別対応を徹底しています。
お客様の課題に真摯に向き合い
最適な提案をすることを
大切にしています」
というアプローチを取ることで
顧客は「自分のビジネスにとって
本当に役立つ企業」として認識し
アンダードッグ的な立場であることを
前向きに評価することができます。
4. 逆転劇を見せる
営業におけるアンダードッグ効果を
さらに強化するためには
実際に逆転劇を見せることも効果的です。
顧客に対して「どのような競合がいる中で
私たちが選ばれる理由」を具体的な事例や
成功例を通じて示すことが重要です。
例えば、競合他社に比べて価格面や
品質面で劣位に立たされていた時期に
どのようにして顧客のニーズに応えたかを
具体的な事例として語り
その結果、顧客が満足し、リピートや紹介が
生まれたことを伝えます。
この逆転劇は、顧客に対して
「この企業は自分たちにもできることを証明してくれた」と
感じさせ、信頼感を深めます。
5. 感情に訴えかけるアプローチ
アンダードッグ効果の根底には「共感」があります。
営業活動においても、顧客の感情に訴えかける
アプローチが重要です。
大手企業や他の競合が行っている営業活動とは
一線を画すような、感動的なエピソードや
営業ストーリーを提供することで
顧客は理屈だけでなく
感情的に自社に共感しやすくなります。
例えば、「他の企業と比べて資源が限られている中でも
私たちは絶対にお客様に最良のサービスを提供することを
誓っています」
といったメッセージを伝えることで
顧客はその誠実さに感動し
自社のサービスを試してみたくなる心理が働きます。
3. アンダードッグ効果を活かす営業チームの文化
アンダードッグ効果を営業チームの文化として
根付かせるためには
チーム全体で「挑戦者」としての意識を持つことが重要です。
営業担当者は、大手企業と比較して劣位にあることを
前向きに捉え、常に顧客の期待を超える努力を
惜しまない姿勢を見せることが求められます。
また、アンダードッグ効果を活かすには
営業チーム内での協力と励まし合いが不可欠です。
営業チームが共に支え合い、困難な状況でも諦めずに
挑戦し続けることで、外部の顧客にもその精神が伝わり
信頼と支持を得やすくなります。
4. まとめ
アンダードッグ効果は、営業活動において
非常に強力なツールです。
自社が他社に比べて劣位にある場合でも
その逆境を前向きに捉え、共感を呼び起こすストーリーや
メッセージを伝えることで
顧客の心をつかむことができます。
営業担当者は、自社の「弱点」を強調し
それを乗り越えようとする努力を伝えることで
顧客に対して強い感情的なつながりを築くことができるのです。
アンダードッグ効果を営業戦略に取り入れることで
競争が激しい市場においても、独自の強みを活かし
顧客からの信頼を獲得することができるでしょう。
成功アンバサダー 都碧（とあ）
